

沖縄の大衆食堂のメニューには、「ゴーヤーチャンプルー」「沖縄そば」などと同等に「味噌汁」も書いてある。味噌汁というと、普通想像するのは茶碗くらいのお椀の中にさいの目に切った豆腐やわかめやネギが入っている、いわば食事の脇役である。それが、その味噌汁のすごさに沖縄旅行者誰もが驚く。なにがすごいのかというと、まず量だ。かつ丼や天丼を入れるような「丼」で出てくる。しかも中身を見てまたびっくり。豚の薄切り肉に葉っぱもの、イモ、もやし、わかめ、ゆで卵、ポーク缶(豚のミンチを塩などで味付けして固めた缶詰肉)など、あらゆるものが入っている。とにかく具だくさんなのだ。沖縄の大衆食堂では味噌汁を注文してもご飯が付く。つまり、味噌汁はりっぱなおかずなのである。これは、沖縄の生活習慣に由来するようだ。ひと椀(またはひと皿)だけですむように、汁のなかに具をたっぷり入れて、ボリュームたっぷり、栄養もたっぷりとれるように、という配慮だ。食事はバランスが大事だというが、さすが長寿が多い沖縄。味噌汁1杯でもバランスは完璧のようだ。
箱根登山鉄道の終点で早雲山ケーブルカーの起点、強羅の駅近く。もともとは箱根の高級別荘地として発展した強羅で、飛び抜けた格式を誇る旅館がこの『強羅花壇』である。箱根にはもともと旧宮家や財閥の別荘を改造して旅館の営業を行っているところが何軒かあるが、強羅花壇は元・閑院宮家の別邸の敷地にある。別邸の洋館そのものも維持されており、懐石料理の名店として営業している。由緒正しいリゾートの、いわれのある旅館である。現在の旅館の建物は、箱根屈指の名建築である。一万坪の庭園との均整をとった、直線が印象的な美的に優れた建物は見事といっていい。たとえば月見台などという風流な装置に続く柱廊を歩くいっときは、この宿に泊まる幸せを感じるハイライトかもしれない。『強羅花壇』は、四季の花と木々の中に建つ温水プールベの自然光の入りかた、玄関の長い路地に灯りがともるときも美しい。季節によって表情を変える建物にも見るべきところが多く、退屈しない。敷地内からは2か所に温泉が湧く。パブリックの露天風呂は大理石と木で作られた大浴場と併設されており、広々と気持ちいい。客室は、数寄屋造りか書院造りで端正な内装である。部屋に専用露天風呂が備えてある部屋は肘室中の7室。庭と一体化した風流な露天風呂である。温泉の楽しみに加えて、この宿ではアロマセラピーの手法を用いた、本格的なオイルマッサージが受けられることも特筆しておこう。フェイシヤル、ボディ、フット&レッグなどのコースがある。夕食は、料亭で食べる本物の懐石料理が素晴らしい。料理は月替り。本格的な精進コースや、湯葉のコースといったものもある。また、最近は箱根と方を並べる温泉が京都にある。それは、夕日ヶ浦温泉である。夕日ヶ浦温泉は丹後半島にあり、カニが美味である。